ragdolltaro’s blog

テクノロジー、バイク、社会問題的な話、趣味の話などを書いていきます。

河童

京極夏彦作品。

またも自分の叡智を超えた作品に出会ってしまった(読了挫折)。河童に関するウンチクが全ページの半分くらいに達する。ストーリーに動きがあるのか無いのか、このウンチクが何に繋がるのか?が分からないまま我慢できなかった。6割くらい読んだところで、結局なんだよとなりネタバレを読んで、あ、ふーんで終了。つまらないとは言わないがこの内容ならもだと簡潔にして欲しい…。

さいえんす

東野圭吾のエッセイ集。

2003年から2005年にかけて連載されていたものの文庫版。時事的なことをテーマとされてる内容なので、2020年の今からしたら、あぁそういうことあったな、という感じになる。インターネットの便利さ、出会い系、当時の事件、などなど。駆け出しの作家は赤川次郎などの諸先輩方に食べさせてもらっているという話など、誰にでも当てはまり思わずハッとさせられる内容もあった。

レイクサイド

4家族が合同で行った湖畔での中学受験勉強合宿中に起きた殺人事件をテーマとする。

不倫、裏口入学、家族愛などが絡んだ中での殺人事件、殺人の偽装工作など、話の展開にのめり込める。

こういうテーマだと東野圭吾は強い。最後の主人公が義理の息子との親子愛が印象深かった。

時生(トキオ)

割と厚め。てやんでぇ風の主人公と、未来からやってきたという息子のストーリー。息子が奇病で死にそうになるところから始まり、長い回想シーンに入る。てやんでぇ風の自堕落な主人公がなんや感やで彼女に捨てられ、追いかけると謎の組織にさらわれたりして、息子と探し出す。途中、主人公を捨てたという母親との再会や、謎だった父親と母親との過去が解き明かされ、最後は彼女も無事解放されるが新しい将来の奥さんと出会いめでたしめでたし、でも息子死んじゃうというストーリー。

書いててわけわからん。この小説で言いたいことを表すのに、このめちゃくちゃなストーリーにする必要があったのか…。彼女がさらわれて取り戻すまでのところなんて丸ごといらない(笑)。Amazonプライムとかでタダで見れるB級作品の原作としてはいいかも。

あまりに単純すぎるてやんでぇ風主人公と、その息子にしては妙に賢すぎる息子。リアリティも無さすぎ。最終段階でのとんとん拍子。

 

パラレルワールドラブストーリー

SFとしても恋愛モノとしてもかなり陳腐だった。

SFとしてはリアリティーに欠けるし、恋愛ものとしてはやや狡猾な主人公、優柔不断なヒロイン、気弱なライバルな三角関係と特に捻りも無し。ページ数の割に内容も無いので多分1ページ飛ばして最後まで読んでも問題無い。

この手の主人公のキャラクターは東野圭吾作品にはたまに出てくる。作者自身の生写しみたいなものかもしれない。

東野圭吾のいわゆるラストのどんでん返しも無し。

せめて、主人公の記憶は全て作られたもので、実は気弱なライバルの術中だった、とかならもう少し面白みあったが。

悪の教典

作者のことが心配になるほどエグい描写。本人の写真見たら普通の優しげなおっさんだっただけに尚更、他人が考えてることなんてわからないものだなぁとしみじみ思った。前知識ゼロで読み始めると、えっ?えっ?となる。思わず登場人物の読み違えかなと… そういう意味で意外な展開でもあって面白かった。

サイコパスの行動や思考に関しても企業社会で成功するパターンのサイコパスから猟奇的なところまで描写に無理がなく、世の中こんなやついるんだろーなと思わせてしまうところが緻密な物語展開故だろう。